暇な時の一人遊びになりますが、他流派の技を合気的に解釈するとどうなるかと
考えることがよくあります。
それにより、’合気’に関する新たなヒントを得て、理解が深まることもあるので、
結構楽しみながらやっているのですが、そうすると不思議に思うことがあります。
それは’合気’の技がヤラセだと断じられていることに対する他の武道・武術修行者の
擁護の声が少ないということです。
一見すると不思議に見えるため、’合気’の技がヤラセだと言われるのは仕方ありませんが、
武道・武術の経験者からは、もう少し擁護する声があっても良いのでは無いかと思います。
私が見る限り、どの武道・武術でも’合気’と同じ様なことをしている部分があります。
また個々人の工夫により、それに辿り着き、合気の技に近いことを行なっていたりします。
全ての技が合気的な要素を持っているわけではないにしろ、その様な技は少なからずあり、
それを’合気’とは考えずに使っているだけの様に見えます。
勿論、構えや体捌きが違っているため、合気系武道の技とは違って見えますが、
技の術理の部分を見ると合気の技と同じことをしている様に思います。
おそらく、人によってはそれらの部分に武道・武術の共通性を見出し、
普遍のものとして技を組み立てるのではないでしょうか。
どこも同じ様なことをしており、合気系武道と他の武道・武術の違いは合気的な要素の
割合が違うだけのように見えます。
そうであれば、武道・武術を経験したことがない一般の人は仕方ないにしても、
他の武道・武術の経験者からは、’合気’の技はヤラセではないという声が
もっと挙がっても良い様に感じます。
現状は、合気系武道の経験者か、’合気’に憧れを持つ人々だけが、一生懸命に
’合気’はヤラセではないと訴えているだけに世間からは見えていると思います。
力を使っていない様に見えるため、お遊戯をしている様にも思われますが、
それらの技はしっかりと理論的に説明することが可能なものです。
技を掛けられた人間が、大袈裟な叫び声を上げたり、不自然に硬直するために
ヤラセだと思われるわけですが、それは実のところ自然な反応です。
人に後ろから声を掛けられて、驚いて声が出たり、身体が硬直したとしても、
人はそれをおかしいとは感じません。
極々自然なことだと思うはずです。
合気系武道の技は、’合気’に特化してやっている分、
その反応が大きくなっているだけのことです。
他の武道・武術でも合気的な要素を含んだ技は行なっており、大して力を入れてなくても
相手を投げる事が出来たという経験をした人はいるのではないかと思います。
その様な経験をしているのなら、技を掛けられた人の反応は別として、
とても人を投げる事は出来ないと思う様な技を見ても、
もしかしたら可能かもしれないとは思わないのでしょうか?
現実には、意見の相違というか、中々理解していただけない部分であることは
重々承知していますが、長年合気系武道の稽古をしている人間としてはその様に思います。


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