達人への道〜’合気’を身につける人はどんな人か?〜

合気

‘合気’を習得し、達人へと至る人はどのような人なのでしょうか?

私は、今までに幾人かの達人と呼ばれる人とお会いする機会に恵まれました。

そこで今回は、過去にお会いした’合気の達人’の特徴から、
どのようにすれば’合気’を習得することが出来るのか、考察したいと思います。

私が今までにお会いしたことのある’合気の達人’は天才肌の方々でしたので、
そのまま真似することは出来ませんが、参考にすることは出来ると思います。

私が先生方と接する中で感じたのは、’頭の柔らかさ’でした。

先生方の技の解説を聞いていると、はじめてお聞きする技の解釈も多く、
その度に目から鱗が落ちる思いをしました。

それらの解説は、突拍子もないことを言っているというわけではなく、
別角度から見るとそういう風に解釈することも出来るというもので、私には出来ない発想でした。

年齢的には私の方がだいぶ若かったのですが、先生方と比べると、
若い私の方が固定観念に縛られて不自由しているように感じました。

また、先生方は物事の本質を掴むのがとても上手く、お話をお聞きする限り、
’合気’を悟るまでに要した時間は、おそらく数年しか掛かっていません。

勿論、先生方が弟子入りした師匠が良かったというのもあると思います。

しかし、長年稽古をしても’合気’が何なのか掴むことの出来なかった
私からすると驚異的な習得スピードです。

’合気’の技は一歩間違うと、非現実的な解釈に走ってしまいますが、
先生方はそんなこともなく、柔軟な思考で現実に即した解釈をされていました。

短期間で’合気’の本質を掴むことは難しいですが、
現実に即しつつも、固定観念に縛られないよう心掛けることで、
’合気’の本質に迫れる可能性が上がる
ように思います。

’合気’の技は数が多く、数千手あるといわれます。

私が接した先生方のご様子から察するに、多くの術理があるために、
技の数が多いわけではないようです、

術理はシンプルかつ数が少ないですが、柔軟な発想で様々な技を生み出しており、
だからこそ、あらゆる場面に対応出来る
のだと感じました。

ここで、私達はの何をすれば良いのかということになります。

個人の発想というのは、真似ようとしても真似出来るものではありませんので、
この点に関しては、弟子入りして、先生が辿り着いた結論をそのまま
学ばせていただくのが一番だと思います。
(結論を知っただけでは駄目ですが、自分が技を理解するための道標とすることは出来ます。)

では何をするべきかというと、技に関して、思考を止めず、考え続けることだと思います。

何事もそうですが、それを聞いたには分からなくても、何かの拍子に後から、
あの時教えてもらったのはこういう意味だったのかと理解することがあります。

それが起きるのは、思考を止めずに考え続けているからです。

私は、’合気’が分からなかったり、上達出来なくなる原因の一つは、思考の硬直化だと思います。
こうだと決めつけてしまうことで、’合気’に辿り着く道が閉ざされるように感じます。

一緒に稽古している人に凄いなと感じる人がいます。

その方の上達具合は、目覚ましく、本当に驚かされるのですが、
何を凄いと感じるかというと’思考の深さ’です。

技の一つ一つの動作に疑問を持ち、それについて考えを巡らせています。

一緒に稽古していますので、師から教わった内容は同じはずですが、
他の人とは、理解の深さが違うように感じます。

おそらく、自分に同じ質問を繰り返し何度もしているのだと思います。

辿り着いた一つの答えにしがみ付くことなく、何度も同じことを質問をし、
その都度考えることで、時に自分の視点が変わり、新たな結論に
辿り着いているのではないかと感じます。

私が接した’合気の達人’は、頭が柔らかい先生方で、先生方が’合気’を習得出来たのは、
その’思考の柔軟性’があったからだと思います。

では、私のように思考の柔軟性がない人間が’合気’に辿り着けないかというと、
私はそうは思いません。

私のような人間でも、思考を止めず、自分に何度も同じ問いをして、
その都度、考えを巡らせることで、時に視点が変わり、多角的に技を捉えることが
出来るようになり、先生方と同じ答えに辿り着ける
と考えています。

頭の柔らかい人に比べると、時間は掛かると思いますが、
思考を深くすることによって、’合気’を習得することは可能だと思います。

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