’合気’の習得を難しくしている原因の一つに、’合気’を掛けられた時に出る
反応の個人差が大きいということが挙げられます。
同じ人でも、掛かっていく時の体勢や意識の向け方により、
’合気’の反応は変わりますが、人が変わると反応は全く違います。
見る人にヤラセと思わせる様な大きな反応が出る人がいる一方で、
一見して反応が出ているのか分からない様な小さな反応の人もいます。
反応の出方は、まさに千差万別で人の数だけ違っていますが、
これは多分に個人の体質によるものといわれています。
’合気’の稽古を繰り返し行うことで、’合気’の反応が大きく出やすくなる傾向はありますが、
人によっては、反応が小さなままの人もいます。
正しく稽古していても起こることですので、このこと自体は仕方のないことです。
また、反応が小さいからといって、’合気’が掛かっていないわけではありません。
人による反応の違いが、’合気’の習得を難しくしている理由は、大きく2つです。
’合気’を掛ける場合には、まず、どのようにしたら、’合気’が掛かるのかということを
理解しなければいけません。しかし、人による反応の違いが大きすぎて、
’合気’の掛け方というものが中々理解出来ません。
’合気’の掛け方が見えてきても、稽古の中で思うように相手の反応が出ず、
再び分からなくなるということもよくあります。
2つ目の理由は、’合気’はその時々によって、掛け方を調整する必要がありますが、
反応の個人差が大きいために、その調整の仕方を中々掴めないということです。
’合気’の掛け方は、相手が掛かって来る時の体勢や意識の持ち方により変わりますし、
人が違えば、その人に合わせた掛け方をする必要があります。
そのため、その時々と人に合わせた掛け方を身に付けなければいけませんが、
これがとても困難です。
少数の人だけで稽古をしていても分かるようにはならず、
多くの人との膨大な稽古が必要となります。
コツはあったとしても、頭で考えて行なっていては間に合わないため、
結局は膨大な稽古の中で無意識に行えるようにするしかありません。
私の経験では、基本的に大きな反応が出る人の方が’合気’は掛けやすく、
反応が小さな人は’合気’を掛けにくく感じます。
大きな反応が出ていれば、確信を持って技を行えますが、
反応が小さいと’合気’が掛かっているか不安になり、
迷いがある中で技を行うことになるからです。
何事もそうだと思いますが、迷いがある中で行うと失敗することが多くなります。
また、反応が小さな人に’合気’を掛ける場合、少しでも大きな反応を
出そうとして、自分の動きを崩してしまうということもよくあります。
そのため、反応が小さな人に’合気’を掛ける場合は、
自分の動きが崩れない範囲を見極めながら行わなければいけません。
’合気’を掛けられた人の反応は個人差が大きいことから、それを学ぶために
出来るだけ多くの人の手を取って稽古することが重要ですが、
相手の反応に引き摺られて、自分の技が崩れることが無いよう、注意して行うことが大切です。
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