武道の技を習得するというのは、稽古を通して身につけた動作が
日常の動作になっていくということです。
意識して同じ動作を繰り返し行い、それを無意識の動作にしていかなければいけません。
そのためには、稽古回数は多ければ多いほど良いということになりますが、
現実としては個々人の状況により、稽古に割ける時間は違います。
私は学生時代に武道を始めました。
学生ですので、当時は当然のように週3〜4回の稽古がありました。
ずっとそれだけの稽古が出来ていれば良かったのですが、
社会人になると状況が変わりました。
全く稽古が出来ない期間もありましたし、週1回の稽古を行なっていた時期、
稽古時間を何とか確保し、短期的に週3回の稽古を行なっていた時期等もあります。
社会人の場合、週1回の稽古を確保するのがやっとという方も多いでしょう。
では上達するには、1週間にどれぐらいの稽古が必要なのでしょうか?
私の今までの経験から、意見を述べさせていただきます。
上達するという意味では、週に1回の稽古でも正しく稽古出来ていれば
確実に上達すると思います。ただし、当然ですがその歩みは微々たるものです。
ですが、確実に進んでいきます。
一緒に稽古している人の中に入門してからの日が浅い方がいますが、
週に1回の稽古しかしていなくても、なんだかんだで少しずつ形になっています。
入門された当初を振り返ると、少し驚いてしまうほどの進歩です。
1回の稽古では何かが大して変わるわけではありませんが、
それを積み重ねると本当に大きな変化になっていきます。
稽古というのは、本当に凄いものです。
では、週2回の稽古をした場合はどうでしょうか。
私は週2回稽古すると自分の感覚を変化させることが出来るようになると感じています。
道場に行って稽古をすると、始めのうちは身体が日常の動作をしており、
武道の動きが出来ていないように思います。
前の稽古で覚えたことがリセットされているようです。
週1回の稽古だとそれを取り戻すのは稽古の終わり頃となります。
(そのため、進歩はしていても稽古を行なっている本人に上達の実感はありません。)
週2回の稽古だと稽古の半ばぐらいで前の稽古での動きを取り戻せているように思います。
そうすると、上達の早さがまるで変わってきますし、本人の感覚も変化していきます。
師や諸先輩方に話を伺ったところ、泳ぎ方や自転車の乗り方を忘れないのと同じで
技の感覚は1度覚えると忘れないそうです。
そのため、1度体得すれば、その後は稽古の間隔が空いてもあまり関係無いようです。
これは、技の感覚を身に付けるまでは稽古の間隔が大切になるということでもあります。
稽古の間隔が空き過ぎてしまうと、感覚を取り戻すまでに時間が掛かってしまい、
現状維持しか出来なくなります。
社会人の場合、時間を捻出して道場に通うというのは本当に大変なことですので、
どれだけ間隔が空いても辞めずに道場に通っているだけで凄いことだと思います。
しかし、間隔が空いてしまっていることが原因で上達出来ない人がいることも確かです。
可能であれば週2回以上の稽古が確保出来るとより早い上達が見込めるので理想ですが、
それが出来ないのであれば、技の感覚を忘れない工夫をすることが大切になります。
2、3日に1回、10分程度で良いので、自宅で技の感覚を思い出す時間を取ると良いと思います。
それを行うだけでも、道場に行った時に感覚を取り戻すまでの時間が短くなりますし、
感覚を身に付けるための助けとなります。


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