’合気’を習得したいと思い、稽古を始めて、しばらく経った頃、悩んだことがあります。
それは、筋トレをしても良いのかということです。
なぜ悩んだのかというと、稽古をしていると筋肉が邪魔をして、
技を失敗しているように思ったからです。
筋肉があるとどうしても余計な力が入ってしまい、
技の途中で相手と膠着状態となることが多々ありました。
当時は、筋トレをしても良い影響はなさそうだと一旦判断し、
筋トレを行うにしても軽めにしか行わないようにしました。
稽古年数が長くなり、色々な人と稽古をしましたが、
基本的には、その考えは変わりませんでした。
それは、女性や子供の方が’合気’の技が上手いように感じたからです。
男性に比べると女性や子供は、筋肉量が少ないため、
筋肉が邪魔をせず、スムーズに技を行えているように思いました。
どうしても筋肉量が多いと、力が入った時に相手に察知されやすくなり、
結果として、相手に抑えこまれやすくなります。
筋肉量が少ない女性や子供は相手に察知されにくい分、技を失敗しづらいわけです。
ここまでの話をまとめると、’合気’の技を行う場合は、
筋肉量は少ない方が良いため、筋トレはしない方が良いとなります。
力があると、技を失敗した時に力で誤魔化すことも出来るため、
長い間、私は筋トレはしない方が良いと考えてきました。
その考えは、間違いというわけではありませんが、
現在は、少し違った考えをしています。
稽古を続ける中で、’合気’の技には、筋肉量が多い方が
掛かり具合が良い技があることを知りました。
そういった技の場合、女性や子供は技を掛けることが
出来ないわけではありませんが、相手の技の掛かり具合は弱くなります。
筋肉量が少ない方が相手に察知されにくいというのは確かですが、
自分でしっかりとコントロール出来ているのであれば、
筋肉量が多くても相手に察知されずに、技を掛けることは可能です。
そのため、未熟なうちは筋肉量が少ない方が技が掛けやすいので良いと思いますが、
習熟してきたならば、逆に筋肉量は多い方が良いです。
昔、筋トレをして技がやりにくいと感じたのは、今考えると、
筋トレの仕方が悪く、筋肉を固める悪い癖がついたためだと思います。
’合気’の技は、一般に言われる’筋力’で技を行うわけではありません。
そのため、筋トレのやり方は十分に工夫する必要があります。
筋肉量は増やしたいですが、’合気’の技を行う時に邪魔するような癖がつかないよう、
注意する必要があります。
現在の結論としては、初心者のうちは筋トレはしない方が良いと思いますが、
習熟してきたなら、悪い癖がつかないように工夫して、大いに筋トレは行った方が
良いと思います。
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