学生時代に合気道を始めて、しばらくした頃の話です。
打撃を苦手と感じた私は、空手を習うようになりました。
単純に苦手な打撃を空手で補おうと考えたからです。
おそらく私と同じ様に考え、いくつかの武道を習ったという人は多いのでは無いでしょうか？
それぞれ稽古に打ち込みましたが、私の場合はそれが実を結ぶことはありませんでした。
理想としては、合気道と空手が融合して、それぞれの技が自由に出せると良かったのですが、
合気道は合気道、空手は空手というように別個のままでした。
これは非才な私だったからかもしれませんが、合気道の構えを取ると合気道の技しか出ず、
空手の構えを取ると空手の技しか出ないという有様でした。
武道（流派）により、構え方や姿勢・体捌きが違っており、それを融合しようとすると、
それ専用の構え方や姿勢、体捌きが必要となります。
それは一つの流派を自分で作り上げることと同義だと私は思います。
流派を作り上げるところまで、到達出来る人であれば良いのでしょうが、
中々凡人にはそこまでのことは出来ません。
そのため、多くの人の場合、弱点を他の武道で補うということは難しいのではないかと思います。
また、構え方や立ち方、技の術理が全く違う場合、融合させること自体が不可能で、
咄嗟に技を繰り出さないといけない状況に遭遇した場合に
それぞれの動きが喧嘩して技が出せないということも有り得ます。
弱点を他の武道で補うことは不可能ではないと思いますが、難しく、
また、融合させる武道（流派）同士の相性がかなり影響する様に思います。
私個人の考えとしては、基本的にその武道の弱点と思われる部分は、他武道で補うのではなく、
その武道の術理でどう対応するかを考えるべきだと思います。
仮にその武道の術理で対応出来ない状況があるのであれば、その状況が発生しない様に
立ち回ることが大切で、打撃に難があるのであれば、打撃を打たせない様にどう立ち回るかを
考えるのが良いのではないでしょうか。
現実問題として、全ての状況にオールマイティーに対応することには無理がありますので、
持っているものでどう対応するかが大切だと思います。
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