’合気’を習得するには、一体どれくらいの時間が必要でしょうか?
何をもって習得したと言うかは、人によって違いますので、
今回は自分で稽古を進めることが出来る様になる、
’合気’の核となるものを掴むまでの時間として話をしたいと思います。
私が合気系武道の稽古を始めてすぐの頃、どうすれば師の様な技が出来るのか皆目分からず、
師にどれくらいの時間稽古したら、’合気’が出来る様になるのか質問した事があります。
その時の師の話では、3〜4年も稽古すると’合気’が分かる様になるとのことでした。
その頃は全く技が出来る様になる気がしませんでしたので、師の話を聞いても、
本当に3〜4年で技が出来る様になるのかと疑念しかありませんでした。
結局、私が朧げながらも’合気’の輪郭を捉えるには、17年の歳月が必要でした。
私は勘所も悪く、不器用な人間ですので、普通の人に比べれば時間が掛かったと思います。
おそらく普通の人であれば、10年ぐらいである程度掴めるのではないでしょうか?
しかし、師の言っていた3〜4年というのが間違いかというとそうでもありません。
私自身は長い時間を要しましたので、3〜4年で’合気’を掴むことは夢物語の様に感じますが、
一派を立ち上げる様な方達が’合気’を掴むまでに要した時間を調べると
確かに3〜4年で’合気’を掴んだ人が複数名います。
昔の剣豪の話でも、一人でいくつもの流派を修めた達人の話がありますので
3〜4年というのは、習得までに要する時間としては現実的な時間なのだと思います。
おそらく、師自身がそのくらいの時間で’合気’を掴んだために、
私の質問にもその様に回答したのでしょう。
現在の私の考えでは、勘所が良い天才は3〜4年、普通の人は10年程度、
勘所が悪い人は15年以上というのが、’合気’を掴むまでに要する時間です。
そうはいっても、世の中には何十年稽古していても、’合気’をとれない人がいます。
何年以上稽古すれば確実に習得出来るというものでもありませんので難しい話ですが、
なぜ長年稽古に励んでも’合気’をとれない人がいるのでしょうか?
その原因は様々あり、このブログではそれらについての記事を書いてきました。
個別のケースについて書くとややこしくなりますので、ここでは大まかに書きたいと思います。
’合気’をとれない原因として、私は大きく3つあると考えています。
1.指導者が’合気’の技が出来ない。
’合気’を謳っている流派であっても、’合気’の出来ない人が指導していることがあります。
そうすると当然のことですが、いつまで経っても’合気’が出来る様にはなりません。
入門時にそれを見極めることは難しいですが、技を受けて、感じて、本物だと思う先生に
師事することが大切だと思います。
※流派により、’合気’の定義は変わります。この記事で書いているのは、
あくまで私が学んでいる流派の’合気’についてのことです。
2.稽古環境が悪い。
’合気’習得は、一緒に稽古する方に大きく影響されます。
自身が’合気’を理解し、正しく技をやろうと心掛けることで、技の習得に近付けますが、
周囲にいる人が悪いとそれはかなり困難な道です。
道場の考えにより環境は大きく変わりますが、’合気’習得が困難なところで稽古するよりは、
習得しやすいところで稽古する方が良いと思います。
3.自分の’合気’の考え、稽古への取り組み方が間違っている
指導者に恵まれ、環境にも恵まれた状態で’合気’をとれないということであれば、
自分の’合気’の理解と稽古への取り組み方が間違っています。
10年稽古して、’合気’がとれそうにないと感じたなら、
自分の考えや取り組みが間違っていると考え、見直すのがいいと思います。
私も含め、長年稽古して’合気’がとれないという人は、自覚なく、間違った考えに囚われ、
間違った稽古をしていることが多い様に感じます。


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