なぜ合気の伝承は難しいのか?〜その原因について〜

合気に限ったことではないと思いますが、技の伝承というのは、難しいものです。

間違いなく後世に伝えるために各流派、会派は頭を悩ませていると思います。

私は長年合気系の武道の稽古を行ってきましたが、
合気の技もご多分に漏れず、正しく伝承するというのは難しいと感じています。

まだまだ修行中で受け取る側の人間である私がこのようなことを
書くのは烏滸がましい気がしますが、伝承が難しくなっている原因について、
思うところがありますので、書いてみたいと思います。

合気の伝承が難しい原因の一つとして、合気は万人に掛かるという
誤解があるのではないでしょうか?

各流派・会派により、合気の定義は違いますので、該当しない事例もあると思いますが、
少なくとも私が通っている道場の合気の技は万人に掛かるものではありません。

正確にいうと、腰が引けていて、掛かってくる気のない人には掛かりません。

稽古で掛かっていく場合にその気がない人がいるというのは
おかしな話に聞こえるかもしれませんが、一見、しっかりと掛かっているように
見える人でも、腰が引けている場合があります。

そうした場合にどうなるかというと、合気の技の掛かりが弱くなったり、
掛からなかったりということが発生します。

通常は、稽古の度に合気の技を受け、理解を深めていくわけですが、
技の掛かりが悪い場合、その理解は浅いものになるか、
もしくは、見当はずれのものとなります。

結果、人により合気の技の解釈が異なることとなり、
正しく合気を伝承することが難しくなります。

これは受けを取る側の問題ですので、受けを取る人間がきちんとその辺を自覚し、
常にしっかりと掛かっていけているか自問自答しながら稽古をする必要があります。

どのような場合でも合気の技が掛かるという誤解が
受けを取る人間に本来求められる自覚を欠落させ、
合気の技の伝承を難しくしているのだと思います。

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