流派・会派ごとに技の術理があると思います。
今と昔でその術理が変わったりするでしょうか?
当然のことながら、変わることはありません。
つまり、道場では今も昔も変わらず、同じことがずっと指導されているはずです。
勿論、その場にいる人に合わせて、言葉や表現を変えての指導はあると思いますが、
内容としては同じことです。
技の発展ということはあっても術理は同じ。
指導される内容も同じ。
そうするとどうなるかというと、長年道場に通っている人にとっては、
毎回聞いている内容なので、知っているとなります。
毎回聞いていると、なぜかわかっている気になります。
このわかっている気になるというのが曲者で、
わかっている気になるといつしか自分を省みなくなります。
わかっていることと身についているというのは、全く別の話です。
自由に動いているように見えても、術理から外れては技になりません。
そして、術理に沿った技を行うために重要なものだからこそ、
基本というものが大切にされています。
上達を続けるには、基本に立ち返るということが必要です。
基本に沿った技が出来ているか、常に自分を省みなければいけません。
そして、この基本というのは面白いことに、自分のその時のレベルにより、
見えるものが変わります。
単純に思えることであっても、そうだったのかと気付くことがある、奥深いものです。
それに気付くためには、どれだけ稽古を重ねたとしても
分かったと思わないよう自分を戒める必要があります。
基本に立ち返ることを忘れた時に技が崩れ、停滞が始まるのだと思います。
コメント