一人稽古を行う際に行いがちですが、
素振り等をする際に回数を決めて行なっていないでしょうか?
私も木刀での素振り100本、突き100本というように回数を決めて行なっていました。
回数を決めて行う数稽古が、悪いというわけではありません。
技を身につけるためには、身体に染み込ませるための数稽古も必要です。
ここで問題になるのは、決めた回数を行う際に最後まで集中出来ているかどうかです。
以前の私は、気付くと回数をこなすことが目的となってしまっていました。
ノルマを決めて、それをこなし、満足するようになっていました。
木刀で素振りを行なっていても、最後の方は集中力を欠いた状態で
木刀を真っ直ぐに振れておらず、木刀の握りもおかしなことになっていました。
そして、それが癖となってしまいました。
本当に駄目な稽古を随分長い間行なっていたと思います。
集中出来ていない状態で行う稽古の何がいけないかというと、
それを行うことで悪い癖が身に付いてしまうからです。
悲しいことに、良い癖を付けることは難しいのに、
悪い癖は簡単に身に付いてしまいます。
集中力を欠いた状態では、悪い癖をつけるだけとなってしまいますので、
ただ回数をこなしていても意味はありません。
回数を決めて行う場合は、自分が集中して行える回数にするべきです。
仮にノルマとして決めた回数に達していなくても、自分が集中出来ていないと感じたなら、
その時点で辞めた方が、悪い癖が付かない分、全然マシだと思います。
同様に、稽古を行うスピードも自分の身体の動きを認識出来るスピードに
調整して行なった方が良いです。
何も考えずに普通のスピードで行うと、身体の細部まで認識することが出来ず、
これもまた、悪い癖が付く原因となります。
道場の稽古で全体で号令を掛けながら、回数をこなす稽古の場合は、
自分だけゆっくりやるというのは難しいですが、上級者のスピードに
合わせて行なっていても、自分の身体の動きが認識出来ず、
変な癖がつくことがありますので、注意が必要です。
全体で号令を掛けて数をこなす稽古がある場合は、稽古後に自分のスピードで
その動作を行い、変な癖がついていないかチェックすると良いと思います。
数稽古を行う場合は、自分の集中力が切れない回数で行う。
また、動作のスピードは自分の身体の動きが意識出来るスピードに
調整して行うことが大切です。
極当たり前のことですが、稽古は焦らず、ゆっくり丁寧に行うことが
上達への近道だと思います。
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