私は武道が好きで、長年武道の稽古を行なってきました。
テーマを持って、技の稽古に励み、その時に自分が
課題だと思っていることをクリアしていく。
それが面白いと思い、稽古を行うことに疑問を持つことなく、
ずっとやってきました。
ですが、武道が好きな人間の一人としては、
より多くの人に武道に取り組んでいただきたいという思いがあります。
そのため、現代で武道をやる意味について、考えてみました。
正直なところ、現代社会で護身という意味で考えた場合、
私は武道をやる意味はあまりないと考えています。
勿論、何かあった際に対応出来る技術があるのであれば、
あるに越したことはないと思います。
ですが、普通に生活している人が暴漢に襲われる確率はどれぐらいでしょうか?
実際のところ、そんなに高くないと思います。
それでしたら、武道で護身術を学ぶよりは危ないところに行かない。
人の多いところに行ったら、周りに気を配り、危なそうな人がいたら、距離を取る。
いつでも走って逃げることが出来るような服装を心掛け、
また、常に走れるようにトレーニングをしておく。
それらのことをしておいた方が良いと思います。
武道の稽古を積んでいたとしても、相手の力量と自分の修練の度合いによっては
何も出来ません。
相手が、何か武器を持っていた場合、それだけでそれを何とかしようとすることは
とても難しいことです。
ですが、現代で武道を行う意味がないかといえば、そうではないと思います。
現代で武道を行う意味については、いくつかありますが、
その一つは自分の内面に目を向ける必要があることです。
武道の稽古を行っていると、自分の立ち方や動き方、呼吸など、
自分の内面に目を向ける必要が出てきます。
相手がいて、そちらを意識しているだけでは、技は出来ません。
自分はどのように身体を動かしているのか?
自分の身体のどこに力が入っているのか?
自分は今、どのような状態なのか?
つぶさに自分の内部を観察しなければいけません。
その自分の内部を観察するということが、とても大切で
意味があることだと思います。
忙しない現代社会で立ち止まり、自分に目を向ける時間を持つということが
ある種のリラクゼーションとなり、明日への活力となると思います。
これが私の考える、現代で武道をやることの意味の一つです。
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