昔の自分が、まさにそうだったのですが、
なかなか技を信じることが出来ませんでした。
師匠や先輩方に技を掛けてもらい、何度も投げられました。
投げられる度に感銘を受け、凄いと思っていました。
にも関わらず、稽古で自分が技をやる時には技を信じきれていませんでした。
武道・武術の技は自分より身体の大きな人も投げる技です。
当然のことながら、非常に合理的・効率的な動きをしており、
驚くほど自分が力を使っている感覚がありません。
過去の私は、技を受けている時には何も疑問を持っていないのに、
自分が技をやる時には、こんな動きで相手を投げることが出来るのかと
不安になっていました。
結果、本来技に要求されるものより、大きな動きで、
目一杯自分の力を使って技をやっていました。
型の動きが崩れているのですから、勿論技は掛かりませんでした。
打撃系の武道・武術をされている方は経験があると思いますが、
自分が全力で打っている突きは相手に効いていないのに、
軽く打ったつもりの突きはなぜか相手に効いているということがあります。
そういう時には、本当に不思議でなりません。
ですが、自分に手応えが無くても、本当に相手に突きは効いているのです。
自分の手応えと実際に相手にどのように作用しているかについては、ズレがあります。
自分の手応えというのは、案外当てにならないものです。
無条件に全てを信じるというのは、危険なことですが、
自分が体感して効果を実感しているのであれば、
それを信じるというのは大切なことなのだと思います。
特に技をやる際には、技と心中するぐらいの覚悟で信じて、
稽古していかないと上達することは難しいのではないかと思います。
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