実戦で力を抜くことは本当に出来るのか?〜力を抜く感覚を身につける〜

昔、私の兄弟子にあたる方が、飲み会の席で師に次のような質問をしていました。

「私はすぐに力んでしまいます。実戦という緊張する場面でも、
 力を抜いて技を行うということが出来るようになるのでしょうか?」

私が習っている流派の技は、余計な力を抜いて行うことが前提となりますので、
つい余計な力が入ってしまう兄弟子は、このまま稽古を続けていて、
きちんと技が身につくのか、不安に思っていたようです。

当時は、私も兄弟子と同じ不安を抱えていました。

私もすぐに緊張して、力が入ってしまいますので、
技が出来るようになるビジョンが全く浮かんでいませんでした。

その時の師の答えは、

「稽古していれば、出来るようになります。」

とのことでした。

どうすれば余計な力を入れずに技を行うことが出来るのか、
悩んでいた時でしたので、そのように師が答えていても半信半疑で、
納得はいきませんでした。

その後もずっと同じ悩みを抱えて稽古を重ねてきましたが、
つい半年程前にふと思いました。

実戦のように緊張する場面でも余計な力を抜いて
技を行うことは出来るかもしれないと。

なぜそのように思ったかというと、例のごとくに、
相手の力とぶつかり、余計な力が入ってしまったのですが、
それに気づいて、すぐに無駄な力を抜くことが出来たからです。

実際の感覚としては、力を抜いたというよりは、
普段稽古している時に意識して作っている
力を抜いた状態を瞬時に再現したという感じです。

稽古を重ねていると身体が余計な力を抜いた状態というのを
記憶しているようで、その状態をすぐに再現することが
出来るようになるようです。

師の言っていたことは嘘ではありませんでした。

師の答えを聞いた直後は、上手く誤魔化されたようにも思いましたが、
師からすると、感覚に依存するもので言葉にすることも出来ず、
他に言いようがなかったのかもしれません。

勿論、今でも力んでしまった後に上手く力を抜いた状態を再現出来ないことはよくありますが、
稽古を重ねていけば何とかなりそうだという感覚があるため、焦りはありません。

そして、余計な力を抜くためにどうすれば良いかということですが、
これに関しては、真っ直ぐに立って、意識的に無駄な力が抜けた状態を
作っていくしかありません。

身体がその状態を覚えたら、気付けば、その状態をすぐに再現出来るようになっているはずです。

この記事が何かしらの助けとなりましたら、幸いです。

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