武道界のあるあるだと思いますが、武道団体はよく分裂します。
それぞれ分裂する理由は違うと思いますので、
外野がとやかくいうことは出来ませんが、
武道団体はなぜ分裂するのでしょうか？
指導者同士の折り合いが悪い。思想の違い。お金の問題。
各団体により、理由は様々だと思います。
私は合気系武道の稽古をしていますが、その結果、武道・武術の団体というのは、
基本的に分裂するしかないのだと感じています。
なぜかというと、同じ技を稽古し、同じように技を身につけたとしても、
個人でやはり技が違うからです。
これは、単純に技のやり方が人によって違うということではありません。
理合（理論）もやり方も同じようにやっていても、個人毎に技が違います。
私が稽古しているのは、合気の技なので、その範疇の話ではありますが、
同じようにやっていても、必ず個人で技が違います。
10年程前だと、私の周りに合気の技が出来るのは、師しかいませんでしたが、
先輩方の努力の結果、何人かの先輩が合気の技を習得しました。
幸運なことに、私は先輩方の合気の技を体験させていただいています。
合気の技を習得されたので、当たり前の話ではありますが、
先輩方の理合（理論）は私の流派の理合に統一されており、技のやり方も同じです。
しかし、それでも技は違います。
攻めの強い技、柔らかい技、鋭い技、ふんわりとした技、速い技等、
技を受けていて感じる印象はまるで違います。
その違いはそれぞれの性格、体質、体格、考え方から来ています。
昔、師から、「技に全部出る」と言われました。
その時は、自分の思っていることを勝手に技の中に当て嵌めているだけだろうと、
不届なことを考えていましたが、今では確かにその通りだと感じています。
技というのは、その人そのものです。
私は、武道・武術の技というのは、個人の癖を無くした先にあると考えていますが、
癖を無くした先にあったのは、個性のようです。
優しい先輩の技は、ふんわりしていて、やんちゃな先輩の技は攻めが強い。
せっかちな先輩の技は速く、苛烈な先輩の技は鋭い。
穏やかな先輩の技は柔らかい。
修練の先が、こんなにも人となりを表現するものであるとは思いませんでした。
それぞれの技が行き着く先が個性だとしたら、
それを見ている人は同じ技とは思わないと思います。
そうすると、それぞれが一つの流派を背負うしかなくなるのではないでしょうか？
行き着くと’一人一派’というのが、武道・武術なのではないかと思います。
そこで、団体が分裂するかどうかというのは、
当事者同士の関係性によりますが、ある種の宿命のように感じます。
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